ボン・ジョヴィ「選挙特番出演OK」民主党エイド?

 これについて「政治をCDを売る道具にしている」とか「日本の政治のことなんか分かってないくせに」とか書いている人が多いけど、そーいうのっていかにも日本的な発想だなぁと思う。民主党を支持するというBON JOVIの政治的な意見に対して反論するなら分かるけど、そういう風に捉えてハナから相手にしないってのはちょっと違うんじゃないのかと思う。ジョン・ボン・ジョヴィは元々熱心な米民主党支持者だからブッシュを支持する小泉に反対するのは自然だし、そもそも日本の自民党の支持率を考えれば、日本での政治的な発言が話題にはなっても、必ずしもCDの売り上げにプラスになるとは限らない。

 欧米では映画俳優やミュージシャンなどの社会的地位のある人は自らの政治的立場を表明し、自分たちの社会的影響力を行使することが当然だと考えられている。そして、それが民主主義というシステムの中で個々に与えられた役割であり、政治に参加するということだと俺は思う。アーノルド・シュワルツネガーにしてもショーン・ペンにしてもボノにしてもみな自分たちの影響力を自覚しているからこそ政治的な活動を行っている。しかし、政治的であることを良しとしない日本の風土では誰も積極的に発言したがらないし、政治以外の場で政治的な発言をすることはタブー視されている。イラク戦争の時どれだけの日本人ミュージシャンが自分の考えを表明したか?今回の総選挙でも意見や関心を表明したミュージシャンがどれだけいるのか?それを考えればおのずと答えは見えてくると思う。

 ライブ8の時も熱心に批判している人がいたけど、少なくともネットでイギリスの植民地支配がどうこうとか言っていた人たちよりは、何かをしようという意志を持ってあの日ステージに立ったミュージシャンたちの方がよっぽど民主主義を実践していると思う。この一件に対するネットの反応を見ても、今の日本ってホントなんか陰湿で悪意に満ちた社会になったなぁと思う。